社会が、ガンやALSの患者を受け入れる余力を失うとき、死は外在化され、疎外された死が生まれます。令和維新の会の方が、参院選に立候補したのは、個人の努力ではどうしようもない幸福追求の権利を訴えたかったからではないでしょうか。そして当選したのは、多くの人がそれに賛同したからではないでしょうか。
議院活動によって、この方の幸福がすぐ実現できるわけではありません。しかし、幸福追求という同じ地平に立つことで、ALS患者と健常者は対等な関係となり、両者の間にあるバリアーは消滅します。それこそが重要なのではないでしょうか。
以上、疎外された死に対する考えを述べました。しかし、人間が抱く死の恐れや不条理は、そうした社会的問題で、すべて尽きるわけではありません。死を内在化できていた大家族制の時代でも、人間は、動物と違い、過剰に死を恐れ悲しんだことでしょう。それは、他の生物にはない、ホモサピエンス特有の死へのおそれかもしれません。それは、一体どこからやってくるのでしょう。
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